「聴き合うまち」をじわじわと実現している高知県本山町――保育現場から地域へ、学びが広がるプロセス
「聴き合うまち」をじわじわと実現している高知県本山町
高知県嶺北地域に位置する本山町は、山々に囲まれた自然豊かな町です。
この町には、リスニングママ・プロジェクト(以下、リスママ)の学び仲間が移住して暮らしており、今回の取り組みもそのご縁から始まりました。
保育現場から始まった「聴く」学び
移住した学び仲間の一人である「まゆちゃん」が、子どもたちが通う保育所の先生にリスママの講座受講を薦めてくださったことが、最初のきっかけでした。
「子どもたちの声を、先生方がもっと聴けたら」という願いが、現場での学びにつながっていきました。
先生方は、以下の講座を受講しながら、保育所での実践にも取り組んでくださいました。
- 子どもの声を聴くコツ講座
- 怒りのヒミツ
- 大切な人と心でつながる聴き方講座(リスナー養成講座)
さらに、「ほかの先生方にも聴くことを学んでほしい」との思いから、オンラインでの職員研修をご依頼いただきました。
保育所の各お部屋から、正規職員の保育士の皆さまが自費で参加してくださったことは、現場の学びへの真摯な姿勢を象徴する出来事でした。
保護者・地域へ広がる学び
その後、保育所を会場として行われる地域講演会「母親大会」にもお声がけいただき、保護者や地域の方々に向けて「聴く」ことの大切さをお伝えする機会をいただきました。
また、その評判を近隣自治体へも共有してくださり、隣接する香美市の母親大会にもお招きいただきました。
この機会には、本山保育所で前回受講できなかった非正規職員の皆さまにも研修をお届けすることができました。なお、この研修費用は、リスママのクラウドファンディングのリターンとして寄付いただいた資金により実現したものです。
研修後、参加された保育士の方から、
「この聴き方は、いつも所長が私たちの話を聴いてくださるときの聴き方だ」
という言葉があり、私も所長先生も思わず涙ぐむ場面がありました。
「聴く文化」がすでに現場に根づいていることを感じる、印象深い瞬間でした。
行政事業としての開催へ
こうした積み重ねの先に、今回、本山町健康福祉課による「パパママサポート事業」として、2025年7月・2026年2月の2回連続講座の開催が実現しました。
長いお付き合いの中で、学びを広げ、実践し、つないでくださった皆さまの存在により、本山町では「聴き合うまち」があたたかく、確かに形になりつつあります。
講座後の交流:地域の居場所にて
講座終了後には、地域の子ども食堂に参加しました。
この日のメニューはオムライスとカレー。参加費は300円。
会場は「やまぼうし」という私設公民館で、たくさんの親子、講座参加者、町役場職員の方々などが一緒に食卓を囲む、非常にアットホームな場でした。
その後は、町内のカフェへ移動し、振り返りや情報交換の時間も持つことができました。
自然に囲まれた美しい空間で、活動の余韻を共有できたことも、心に残る時間でした。
奇跡のようなご縁の連なりに、リスペクトと感謝の気持ちでいっぱいです。
参加者のご感想(掲載ご了承済)
「実際にワークを取り組んだりして、新しい気づきがありました。具体的な事例をもとにみんなで考える時間があり、どうしたら良いかいろいろなアイデアが湧いて来る時間が良いなとおもいました。」
「ワークを通して、自分でも気づいていなかったニーズに気づかれる場面がありました。よく言われるジョハリの窓のように、他の人とのコミュニケーションで新たな気づきが生まれる場面があり、良い時間だったなと感じました。」
子どもも大人も、安心して自分らしくいられるまち
聴くことは、「あなたのことが大切です」「あなたはあなたらしくいていいんだよ」という無言のメッセージです。これこそ、子どもたちに伝えたいメッセージではありませんか?
そして、子どもの話だけを聴くことを心がけても、なかなか継続できないこともあります。まず大人どうしが聴きあって支え合うことが「当たり前」の日常であったら、子どもたちは自然とそのコミュニケーションを学んでいきます。
地域やコミュニティの中で、こんな当たり前を育てていきませんか。
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市民協働講座、PTA家庭教育学級など、さまざまな地域に呼んでいただいています。
内容、規模などこちらからご相談ください。
(発起人・代表講師 高橋ライチ)
