代表コラム 「綺麗事を願える社会に向けて」

2025年になりました。
節目はとても大事なことですが、
ただの継続する、昨日と今日と明日でもあります。

私は、いつもと変わらず、
少しでも、自分たちの社会がみんなで暮らしやすくなり、
子どもたちが大人になるまでに、少しでもより良い社会になってほしいという想いで、
今年も活動を続けるつもりでいます。

とはいうものの、
この「より良い社会」に向かうためには、
どこから手をつけていいかわからないことも多く、
何よりも、目の前の生活のためにやることから少し外れたことであるために、
目線を下げてしまうとやってくる、挫折や失望、罪悪感に飲み込まれ、
動けなくなることもしばしばです。

NPO法人リスニングママ・プロジェクトでは、
「聴き合う」文化の醸成が
共に生きる道標となり、子どもたちに向けてのギフトにもなるだろう、
と、仲間とともに続けている活動です。
おかげさまで、任意団体から数えると10年となります。

綺麗事を語る意味

そんなの綺麗事だよ、と、言われることもあります。
何かに直面すると自分でも「綺麗事」を言ってるな、と、
思うこともあります。

「綺麗事」とは、平和や調和、共存といった理想を語ることです。
それが実現困難だとしても、語ること自体が社会の方向性を示し、
理想に向かうためのエネルギーとなります。

「誰もが幸せに生きられる社会を作ろう」と言うことは、単なる理想論と片付けられがちですが、もしこの理想すら語れない社会であれば、現実を改善するモチベーションすら生まれません。

綺麗事を語ることは、社会の指針となるビジョンを共有することです。理想を共有することで、人々は共通の目標に向けて力を合わせることができます。

もしも、社会に対する「綺麗事」を口に出すのが憚られるようでしたら、
まずは、自分自身に対する「綺麗事」を掘り出してみませんか?
自分の中にある、澄んだ綺麗なものを自分自身で認めること、
それだけでも大きな力になると思っています。

綺麗事を語れる社会の未来

現実社会では、対立や困難に直面すると、「理想ではなく現実的な解決策が必要だ」との声が上がります。ですが、理想を捨てた現実主義だけでは、社会の長期的な発展や幸福感の創出は困難です。綺麗事は人々に希望を与え、目指すべき未来を示す羅針盤の役割も果たします。

私たち一人ひとりが「綺麗事」を語り、その実現に向けて行動することで、共存共栄の社会が築かれます。
スピードアップも願いつつも、自分たちの速度を信じて歩みを止めず、で、いきたいと思います。
理想を語ることを恐れず、むしろ誇りを持ってその旗を掲げる――そんな社会を目指して、共に歩んでいきましょう。

皆様とご一緒できる時間がより多くありますように。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。

代表理事 豊平さとみ

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