5/9トークイベント第3弾「安心して話せることが、親子を支えていく」〜フリースクールの現場から考える おはなしDAYの意義〜

内容

「話を聴く」ことは、親子をどう支えているのか

リスママ寄付キャンペーントークライブ第三弾レポート

母の日寄付キャンペーン期間中に開催した、NPO法人リスニングママ・プロジェクトのトークライブ第三弾。

今回のテーマは、
「安心して話せる時間が、親子を支えていく」
〜フリースクールの現場から考える おはなしDAYの意義〜

ゲストにお迎えしたのは、
NPO法人しののめフリースクール代表であり、臨床心理士・公認心理師でもある中村紫乃 さん。

フリースクールの現場で、長年子どもや保護者の声に耳を傾け続けてきた紫乃さんとともに、

  • 「安心して話せる」とはどういうことなのか
  • 親が話を聴いてもらうことが、子どもにどう影響するのか
  • 専門家ではない“ただの人”が話を聴く意味
  • 今の社会に、なぜ「役割ではないつながり」が必要なのか

など、対話を重ねながら考えました。


「そのままでいていい」が生まれる時間

さと(リスママ代表):
「安心して話せる時間って、心理的にどんな意味があるんでしょう?」

中村紫乃 さん(以下 紫乃さん
「やっぱり、“自分がそのままでいていい”って感じられることじゃないかなと思うんです。
何でも話していいんだな、とか。

私は基本的に、“妨げない”っていう姿勢で聴いています。
その人の話を妨げずにいると、その人自身が自然にいろんな場所へ旅をしていくんですよね。
話が逸れても全部OK。
こちらが決めつけず、“それでいいよ”っていう場所でいると、本人の方から自然に話が展開していく。
どこに着地するか分からないこともあるけれど、一緒に旅をしていくような感覚なんです」

さと:
「聴いてもらうことで、“こんなことまで話していいんだ”って、自分自身を肯定できる感覚もありますよね」

紫乃 さん:
「最初はみんな、“どこまで話していいのかな”って相手を見ていますよね。
だから、聴く側がどんな姿勢でいるかって、本当に大事。

しかも、聴く側に余白がないと、なかなか聞けない。
聴き手のコンディションってすごく大事なんです。

でも、その余白があると、“ここまで話していいんだ”“こんな自分を出しても大丈夫なんだ”って、少しずつ安心につながっていく」

「専門家」であることの難しさ

さと:
「リスママは、専門家ではないお母さんたちが、お母さんの話を聴いています。
専門家が聴くことと、そうではない人が聴くことって、違いがありますか?」

紫乃さん:
「“心理士です”って名乗った時点で、その言葉にはもう力が宿るんですよね。
発言の重みや影響力が生まれる。
だから、“踏み込みたいけど、この言葉は強すぎないかな”って考えることはあります。

その点、リスママさんのような“ピア”の関係性って、すごく大事だと思っています。
実は私は、保護者同士がお互いを支え合う場がすごく好きなんです。

“こういうところ、みんなあるよね”っていうところで支え合う。
人間同士として関わることって、本当に大きな力があると思うんですよ」

さらに、紫乃 さんはこんな言葉を続けました。

「私は、“経験の専門家”ってあると思っていて。
母親として子育てをしてきた経験。
親との関係に悩んできた経験。
そういうものも全部、その人の専門性なんですよね。

対話って、そういうものが触れ合って、何かが生成されていくこと。
クリエイティブなんですよね。
芸術だ、って言った先生もいましたけど、私は本当にそう思っています」

親が“余白”を持つと、子どもも変わる

さと:
「私たちは、“お母さんが話を聴いてもらうことが、子どもにも良い影響を与える”と思って活動しているんですが、どう思われますか?」

紫乃 さん:
「それは間違いなくあると思います。

子育て中って、とにかく溜まるんですよね。
だから、一旦外に出して、“私ってこんなふうに思ってたんだ”って、自分で自分の言葉を聴く。

児童館で会ったお母さんたちとの雑談。
子育てグル-プ。
そこで話すだけでも整理されていく。

ピアサポートは、本当に必須だと思います」

そして、話は「余白」という言葉へ。

紫乃さん:
「親の中がパンパンだと、子どもの言葉って入ってこないんですよね。
子供から発せられた言葉をはねのけちゃう。自分でも気づいていなかったりする。

でも、一回外に出して水抜きすると、ここに隙間ができる。
すると、子どもの言葉が入ってくる。

物理現象みたいな感覚です。」

さと:
「親が余白を持つことで、子どもの何気ない一言をちゃんと受け止められるようになる」

紫乃 さん:
「そう。
その“受け止められた”感覚は、子どもにちゃんと伝わるんです。
“自分はここにいていいんだ”って。
だから、安心感って、目に見えないけどすごく大事なものなんですよね」

「距離感がわからない」子どもたち

紫乃さんは、フリースクールで出会う子どもたちの話もしてくださいました。

「不登校の子の中には、“人との距離感がわからない”って言う子が結構いるんです。
どうしていいかわからないから、引きこもってしまう。

でも、本当は、親とのやり取りの中で、
“このくらい近づいて大丈夫なんだ”
“ここで戻ればいいんだ”っていう感覚を育てていくんですよね。

だから、親側に余白があることって、すごく大事なんです。」

さと:
「ちゃんと受け止められる。はね返さない。
それが、子どもの安心につながるんですね」

紫乃 さん:
「そうですね。
でも、“子どものために頑張らなきゃ”って話ではなくて。
“あなたは一人の人なんだよ”っていう関わりが大事なんだと思います」

「役割ではないつながり」が減っている社会

後半は、「今の社会に必要なつながりとは何か」という話へ。

紫乃さん:
「今って、お母さんたちは社会と繋がってはいるんですよね。
でも、“仕事として”とか、“役割として”の繋がりが多い。

一方で、

“何も役に立たなくてもここにいていい”
“存在そのものの自分でいていい”

っていう場所が減っている気がするんです。」

さと:
「周りに人はいるのに、孤立している感じ、ありますよね。
だから、“何を話してもいいよ”っていう場所は、
“つながり方を思い出す場所”
なんじゃないかなって思います。」

紫乃さん:
「“つながり方を思い出す”って、すごくいい言葉ですね。

役割でつながるんじゃなくて、“存在そのもの”でつながる。
そういう場所が、今すごく必要なんだと思います。」

 「あなたは、そのままでいい」

リスママのおはなしDAYでは、20分間、オンラインで一対一で「ただ聴く」ということを行っています。
特別なアドバイスをするわけではありません。

でも、

「こんなこと話していいんだ」
「なぜか涙が出てきた」
「ここにいていいんだ」

そんな感覚を、少しずつ取り戻していく方がたくさんいます。

紫乃さんは最後に、こんな言葉をくださいました。

「“存在そのもの”でいられる場所。
そういう場所があるよっていうことを、私は本当に大事にしたいと思っています。
心から応援しています。」

 安心して話せる場所を、これからも

リスママでは現在、
「届け!子育て中のママへ つながりと自信を取り戻すための20分」
をテーマに、母の日寄付キャンペーンを実施しています。

安心して話せる場所を、必要な人へ届け続けるために。

もしこの活動に共感していただけたら、ぜひ応援していただけたらうれしいです。

寄付の詳細・ご支援はこちら
https://listening-mom.org/donation-campaign202605/

本トークイベントのyoutubeのURLはこちら


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母の日に寄せる寄付キャンペーン2026
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